2023年紅茶専門店ディンブラが買い付けをしたセイロンティーのDimbula (ディンブラ)クオリティーシーズンの古木をどうしても見たくて、スリランカの山奥まで行ってきました。
買い付けをする時はスリランカから送られてきた茶葉をテイスティングします。
数カ所の茶園のディンブラをテイスティングしていたら、香りと味がとても深く素晴らしい茶葉に出会えました。それが種子から育てられた100年前から生育している古木のディンブラだったのです。
テイスティングが終わり、スリランカへ連絡した時に、選んだ茶葉は種子から育てられた古木のディンブラという事を知りました。
種子から育てられた紅茶の木、古木、全て初めてのセイロンティーだったのでとても興味がわきました。
私はいつか近いうちに必ず、その紅茶の木を見に行きたいと強く思っていたことが今回実現しました。
スリランカのディンブラ地方はとても広い範囲です。
今回は、ウバから入ってヌワラエリヤの街を通り過ぎ、どんどん奥地に車を走らせて向かいました。
上の写真は、通り過ぎたヌワラエリヤの街の一角です。
種子から育てられた紅茶の木と普通の紅茶の木の違い
ディンブラの茶園のバンガローへ宿泊させていただき、そこから紅茶工場のマネージャーさん2人の車の運転で1時間ほど走った山奥に入って行きました。
かなり奥地まで行くと、マネージャーさんが車の窓を開けて「この辺りから100年前の古木だ。」と、崖っぷちに生育している紅茶の木を指差し教えて下さいました。
私は、普通の茶の木と古木の違いを見分けることが困難で、その違いを聞いてみました。
普通の挿し木で育った紅茶の木の根の長さは、約2フィート(約60cm)だそうです。
古木の種子から育てられた紅茶の木の根の長さは、約6フィート(約182cm)だそうです。
おー!生命力が素晴らしい!
古木の種子から育てられた紅茶の木の根が長いので、土の中のミネラルをたっぷり含んだ茶葉が育つそうです。
土のミネラル成分の違いで、いろいろな個性ある茶葉が生まれるそうです。
「だから、種子から育てられた紅茶の木からは面白いものが作られるのだよ。香りも味も最高だ。」と、マネージャーさんが笑みを浮かべて教えてくださいました。
一方、挿し木の紅茶の木からは同じ味の茶葉ができるそうです。
なるほど、土の栄養分が茶葉の味になるのですね。
種子からの紅茶の木の根は、挿し木の根より太くゴツゴツして、たくましく見えました。
紅茶の木の種子
「タイカさん、これはなんだか分かる?」とマネージャーさん。
「えー?アボカドのミニチュアみたい。」
マネージャーさんの手のひらの上にある物は、紅茶の木の種子です。
殻の中に種子が入っているのです。
驚いたのが、この種子は挿し木で増やした紅茶の木にはできないそうです。
種子から育てた茶の木にしかつかないって初めて知り驚きました。
挿し木にも花は咲いているのに不思議ですね。
下の写真は、古木の紅茶の花です。
私にはとても愛おしく見えました^ ^
紅茶の古木の木の新芽を食べてみた
山の奥で育つ古木の茶の木です。側にはとても美しいジャングルと川がありました。
タイカさん、古木の木の新芽を是非食べてみて!と言われ、私はそーっと口の中に生の新芽を入れてみました。
食べるというより恐る恐る新芽を噛みちぎり、味わってみました。
どこかで食べたことがある風味だな〜。あ、スダチの様な柑橘系の味です。
これがミネラルたっぷりの紅茶の葉の味なのですね。
とても感動しました!
まとめ
2023年スリランカの紅茶の旅の目的の1つでる、セイロンティーディンブラの種子から育てられた古木の木を見るということが達成できました。
なによりこんなにも、種子から育てられた紅茶の木のたくましさを知るとは思いませんでした。
100年以上生きる事ができる木は、選び抜かれたたくましさがあるのですね。
途中、枯れ果てた茶畑もあったので余計にそれを感じました。
紅茶専門店ディンブラに入荷している2023年クオリティーシーズンのディンブラを飲む度に、スリランカのこの風景とマネージャーさんに教えて頂いた紅茶の話を思い出すでしょう。
そして紅茶には、これから私が知ることができる神秘的な世界がたくさん待っているのだと思うとワクワクしてきました!
今回は、想像以上に険しい山岳地帯に入って行きました。
車幅しかない赤土の道をずっと車を走らせ連れて行ってくれたマネージャーさん、関わってくださった全てのスリランカの方々に感謝です。
この後、山の中の奥地で車を降ろされ、最大の恐怖を味わう夜が待っているとは…(笑)続きます!